バブル期以来30年ぶりに日経平均株価が3万円の大台突破!!その要因とは!?

6月9日の東京株式市場、日経平均株価は、600円以上値上がりしています。日本時間の8日夜に発表されたアメリカの失業保険の新規申請件数が市場予想を上回ったことで、FRBによる利上げの長期化への懸念が和らぎ、8日のニューヨーク市場で株価が値上がりしました。

この流れを受けて9日の東京市場でも幅広い銘柄に買い注文が広がっています。「バブル景気」の時期の1990年8月以来、32年10か月ぶりの高値をつけました。株価はなぜ上昇しているのか。この勢いは続くのか。

今回は、現在の日経平均株価の上昇について考えてみたいと思います。日経平均株価は、最近バブル期を超えて上昇し続けていますが、その理由や要因について解説します。

欧米の金融不安の衰退

一つ目の要因は、欧米の金融不安が収束したことです。

「銀行」や「保険」など金融関連の銘柄で株価が上昇しました。

シリコンバレー銀行(SVB)破綻から3ヶ月。欧州にまで飛び火した金融不安はようやく収束したように思われます。SVBの破綻は銀行システム全般へは波及せず、市場の動揺は早々に収まりました。FRBのバー副議長が公聴会で、「ずさんな管理の見本」と切り捨てたように、SVBの破綻は極めて特殊なケースでした。クレディスイスも同様ですが、取引の失敗により損失が重なり、経営陣の不祥事も絶えなかった。破綻の経緯は異なるが、脆弱な金融機関が潰れるべくして潰れただけでした。

企業決算が好調

二つ目の要因は、経済活動の正常化や円安の効果で業績を伸ばす企業が相次いだことです。

SMBC日興証券が旧東証1部上場企業を中心に5月18日までに発表をすませた全体の99.2%にあたる1423社の昨年度の決算を分析したところ、最終的な利益は54%にあたる769社が増益となりました。

コロナも乗り越え、過去数年間、日本の経済は着実に回復してきました。過去最高の最終利益を発表する企業も出たり、景気の良いデータや企業の業績報告が相次ぎ、投資家の信頼を取り戻しました。この経済の回復と企業の収益改善は、株式市場において投資家の需要を喚起し、株価の上昇につながりました。

東証の改善要請による株主還元策の強化

三つ目の要因は、東証が、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割れている(≒会社が保有している純資産に対して株式の評価が低い)企業に対して、資本効率の改善を求めたことに企業が呼応し、PBR1倍超えを目標に掲げて自社株買いや増配など株主還元策を強化したことで、投資家の日本株に対する評価が上がった形です。

金融緩和の継続

四つ目の要因は、日本の金融政策の緩和です。日本銀行は長期にわたり、金融政策を緩和し、低金利環境を維持してきました。低金利は企業の資金調達コストを下げ、経済全体の活性化を促しました。また、低金利環境においては、株式市場が魅力的な投資先となります。これにより、多くの投資家が株式市場に資金を流入させ、株価の上昇に寄与しました。

さらに、日本銀行は植田新総裁のもと初めてとなる金融政策決定会合が4月28日に開催され、低金利を誘導する現在の大規模な金融緩和策」の維持を決めました。金融政策決定会合の後の会見でも、2%の物価上昇に向け、今の「大規模な金融緩和策」をまだ続ける必要があるとの認識を示しました。

これが投資家の安心感につながり、株式が買われる背景にあるという指摘もありました。

海外からの資金流入

五つ目の要因は、海外からの資金流入です。

日本の株式市場は、世界的な投資家の注目を集めています。あの"投資の神様"と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が来日し、日本の総合商社の株式をはじめ日本株に積極的に投資する姿勢を示したことも日本株への投資を呼び込む要因となったと指摘されています。

これらも相まって、日本企業の成長性や投資機会に対する期待が高まり、海外からの資金が流入しました。特に、日本の株式市場は米国株式市場と比較してまだ割安と見られており、投資家にとって魅力的な投資先となっています。このような海外からの資金流入が、日本の株価上昇の要因となっています。

以上が、現在の日経平均株価の上昇の主な理由と要因です。

今後も、アメリカの銀行経営の問題や債務上限の引き上げをめぐる協議など海外経済のリスク要因を見極める必要があります。そして株価の上昇がそもそも日本企業、そして日本企業の実力を反映したものなのかこの点も見ておく必要があると思います。

また、株式投資を含め、投資にはリスクもつきものですので、当社では適切なリスク管理と投資戦略の構築を行っております。十分な情報収集とリサーチ、専門家からアドバイスを受け、これからも成功・成長を目指します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です